2008年04月01日

博多の夜の物語

某中尉は言った。「悲しいけど、これって戦争なのよね」 彼はむしろ清清しく言い放ち、散っていった。そう、愚かしいとは知りながら、ヒトは戦いを捨てられない。そして私もまた、戦いの中でもがき喘ぎつつ、フィドルを習得するという修羅の道を選んで歩いてきた。しかし、今回こそは生きて故郷の地を踏むことはないと覚悟して、彼の地へと向かう。

彼のいるあの地へと…。


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ハイ、相変わらず超大袈裟な書き出しで始まったわけだが、予告通り、九州は博多へセッション参加しに行ってきた。いや、こう書くと著しく語弊があるのだが、実際には仕事で九州へ出張したついでにセッションに参加させて頂いた旨、重ね重ね明記しておく。飽くまでついでね、ついで。参加の経緯は前回記事参照のこと。 セッション会場は福岡・天神にあるアイリッシュ・パブ「the Celts」 福岡のアイリッシュの総本山になりつつあるパブだ。セッションは夕方からなので、学会なんざは早々に袖にして(検閲削除)、パブへ単身突入する。


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今回の敵司令部はこのお二人。超絶フィドラー・padawanさんと、スーパー・パイパー・tommyさんだ。padawanさんは私がアマチュアでは最も崇拝している激フィドラーで、クラシックあがりのズバ抜けたテクニック、類稀なる感性、関西人ならではのネタとサービス精神を併せ持つ漢である。一方的にライヴァル心を燃やしているが、実力的には遥か14万8千光年ほどかけ離れている。そして笛吹きのtommyさんは、アイリッシュ・プレイヤーなら誰でも聴いたことはあるであろう、「フィールド・セッション・CD」の中で、笛を吹かれている達人だ。

このお二人が、このパブでフィドルや笛の教室などもやりつつ、アイリッシュの普及に努めて約一年。今ではかなりプレイヤー人口も増えつつあるとのことなので、今回は敢えて奇襲ではなく、堂々と襲撃を予告してパブへと殴りこむことにした。まさに捨て身の威力偵察である。奇襲では相手の即応能力評価が出来ないからな…ふふふ。



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今回迎撃に上がって頂いたプレイヤーは9名。1名は何処かでお会いしたことがあると思っていたら、なんと東京からお越しのmayuさん。 彼女は新橋の「ゆっくりセッション」でご一緒させて頂いた事があるのだが、今回は彼女もたまたま仕事で出張で来ているそうで、急遽参加と相成ったらしい。 ビバ・偶然! いや、彼女も私もホントに偶然デスよ。彼女とは、来月にも恐るべき偶然があることは、また後日…。

まだ皆が弾ける定番曲みたいなものが少ないようで、各自ネタ出しして、弾ける人がそれに追従するという形式でセッションは進む。やはりいつもと違うメンバーとやると、選曲も違ってくるので、実に新鮮だ。面白かったのは、同じ曲でも地方色があること。佐賀から来られているプレイヤーの方と、「St. Ann's Reel」「Soldier's Joy」等をやったのだが、我々が普段やっているのものと、佐賀で普段やられているバージョンでは、曲は同じなのだが、フレーズがかなり違う。まぁ変奏が無限に存在する音楽なので、当然といえば当然なのだが、面白いね。「Soldier's Joyを佐賀弁でやります」というフレーズも最高だ。


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上の写真はギターで参加のジムさん。彼は伴奏だけではなく、ソロでギター・プレイも披露して下さったのだが、その曲が激カッコよろしい! 一切ピッキングせず、フィンガーボードを叩くように押さえて発音し、ボディをパーカッションの様に叩いてリズムを刻む。曲の最後には、ペグを回してピッチ・ベンド! うっは〜、こういうの大好きデス。 いつかフィドルにも応用してみたいなぁ。



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padawanさんと見つめあって弾いているこの女性。実に美しいお方だったのだが、音色の方も超絶! 明らかに発音が違うし、アイリッシュにはあまり馴染みが無さそうなのだが、2回リピートすると、2回目には追従してこられる耳の良さ。 「な…何者!?」と思っていると、なんとバイオリンの先生とのこと。そりゃ凄いハズだわ…。この写真はバッハの「Double Violin Concerto」を弾いている図。他にも「パッヘルベルのカノン」がリールに早替わりしてしまう「P Joe's Pecurious Pachelbel Special」など、見せ場がテンコ盛り! やっぱりクラシック出身のヒトは一味違うなぁ。


なんだかんだと遊んでいると、「せばジグ弾いてください」との声が。 むぅ!? この曲は作曲者自身がイマイチ上手く弾けないという自己矛盾に満ちた禁断の曲。 それを知っての狼藉か!? しかし、実はpadawanさんがこの曲をソロでカッコよく弾いているのは聞いていたし、なんとその場に4人も弾ける人がいるというから、なんだかこっぱ恥ずかしいながらも、ちょっと嬉しかったり。というわけで、弾いてみました、「St. Sebastian's Jig」! 私のソロだけではトホホにも程があるので、セッションの雰囲気を記録するためにも、Padawan&Tommy氏の超絶リールと、4人で弾いたせばジグをメドレーにして公開。






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楽しい時間はあっという間に過ぎ去るもので、気がつけば4時間半ほど弾いていたセッションも終わりを告げた。こうやって異郷の地で独りセッションに参加すると、つくづく自分の実力の無さに辟易する。しかし、新しい課題も見えたし、刺激も貰えたし、何よりも単純に楽しい! 初めてお会いする方と、オリジナル曲を一緒に演奏して貰えるというのも初めての経験で、実に感慨深いものがあった。こんな駄ブログではあるが、本当に書いてて良かったと思える。この日あった出会いも、また大切にしていきたいと思う。


参加の皆様、お疲れ様&有難うございました! 幹事をして頂いたPadawanさん、Tommyさん、そして「the Celts」のマスター、本当に有難うございました! 是非また機会を見つけて遊びに行かせて頂きたいと思いますので、その節は宜しくお願いいたします。
posted by せばすちゃん at 02:00| Comment(14) | TrackBack(0) | ライブ・セッション・練習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月21日

ダークサイド・ストーリー

前回記事が意味深に終わってしまっているので、「はやく種明かしせんかい!」というお声もあろうが、もうちょい引っ張らせて頂きます。詳細が決まれば正式に告知するので、悶々としながら待つべし!

さて、私に近しい人間ならよくご存知かと思うが、私は決して善良な人間ではない。ダークな一面もあれば、アンダーグラウンドな素養も垣間見せるナイス・ガイだ。(それはナイス・ガイなのか?) 己の欲望に忠実だし、実利の前に道徳や理性が霞むことも多々ある。今回は、そんな男のある日の物語をハードボイルド・タッチでお送りしよう。

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私は照明が落とされた人気のないビルにいた。都心にあるビルとはいえ、夜は人気もなく、落とされた照明によって出来る陰が音を吸い取り、静寂をより増強させているようにも思える。その静けさの割には、物憂げで妙な圧迫感のある空気が漂っている。もっともそれは私の主観かも知れない。これから起こるであろう出来事に対する警戒と不安が、場の空気に投射されているのだろう。

気配を感じたと思うまもなく、空気が動く。音もなく滑るように男が現れ、私の座るベンチへ腰を落ち着ける。この私にここまで気配を感じさせない男も珍しい。この男が敵であれば死んでいるなと思い、厭な汗が背を伝う。

闇せば:アンタが?
スパイ:そうだ、顔は見るな。
闇せば:例のブツは今日受け取れるのか?
スパイ:これがそうだ。
闇せば:ありがたい。
スパイ:解っているとは思うが、他言は一切無用だ。
闇せば:もちろんだ。私もまだ命が惜しいんでね。

男はわずかに気配を揺らしたかと思うと、瞬く間に消えた。あとに2枚のCDだけを残して。



かくして私は2枚のCDを入手した。まぁかなり脚色がはいっているが、気にしない方向で。「本当はレッスンの時に他の生徒さんにCD貰っただけなんじゃないの?」などという、如何にも見てきたように邪推するヤツは営倉行きだ。 とにかく喜び勇んで帰宅し、CDをプレイヤーに挿入! 


ぬぐぅおおお!? こ、これわぁああ!!!!


我が家のヤマハ・60Wニアフィールド・モニターから炸裂するのは、まごう事なき「フィドルの神様」ことマーティン・ヘイズのプレイ!! いやぁ〜、実に素晴らしい。実はこの音源、非公開で一般入手は不可能なシロモノ。しかし世の中は広いモノで、そういうモノを入手できる人というのがいるものなのだ。こんな駄ブログでも続けていると人脈も出来るようで、時々こういう有り難いお話が飛び込んでくる。昨年は某・別ルートから、かのケヴィン・バーグの非公開音源なんてものも頂いたし、本当にありがたい話だ。

いやホント、持つべきものは悪友(とも)諜報員だね。 多謝!!
posted by せばすちゃん at 15:10| Comment(2) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月14日

逝きつく果ての果て

最近なにかと忙しく、気がつけばほぼ一ヶ月更新していなくて我ながら愕然。レッスンもこの一ヶ月は2回しか行けていない。まぁ、職業がら、この季節は仕方ないのだが…。練習はちょろちょろとはしているものの、やはり充分な練習量は確保出来ていない状態だ。


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そんな状態なのでストレスも最高潮。とにかく弾き倒さねば収まるまい!…というわけで逝って来ました、「フィドルの会」。 もう結構お馴染みの感もある師匠主催の練習会だ。今回の参加者は11名で、ほぼ顔なじみのメンバー。一人初参加の二十歳前の若きフィドラーがおられた。クラシックをやっておられたとのことで技術はバリバリだが、アイリッシュには馴染みが薄いとのことで、今日のセッションは比較的ほのぼのペース。いつものように超絶リール激烈ジグが炸裂し、マニアックに過ぎる選曲がなされることもなく会は進む。おお、いつもこれ位ならついていけるのになぁ。

たっぷり3時間弾いて練習会は終了。練習不足もあるし、しばらくオキャ会の8時間耐久練習会も参加出来ていないので体力が落ちているのか、随分と腕や指が疲れる。その旨を周りに洩らすと、「なまってますね〜♪」とのこと。 …コレが普通なような気がするが、そんな甘えは通用しない世界らしい。 まったくなんだってこの連中は…ぶつぶつ。

しかもコレだけでは終わらない! 予定の時刻は過ぎたのに、誰も帰ろうとしない。雑談などをかわしつつも、何故か席を立ちたくない空気が其処にはあったのだろう。同じく日々の激務で疲労困憊・ストレス絶頂中の我がライバルであり先生であり目標でもある超絶フィドラー・「しゃお」さんが何気なくフィドルを掻き鳴らす。すかさず、達人・Kenny氏のティン・ホイッスルが重なる。とどめに師匠のギター伴奏が乱入! 物凄い贅沢なメンバーによる即興ミニ・ライブ開始! うぉ〜、すげ〜!! 凄いけど、みんな帰る気ナッシングですな。 心地よい空気に調子に乗った私は、「このまま朝までライブだ!」などと冗談半分に野次を飛ばす。



しかし、時として冗談は冗談で済まなくなるということ。
その事実を私は身をもって知ることになる。
posted by せばすちゃん at 16:57| Comment(14) | TrackBack(0) | ライブ・セッション・練習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月17日

宣戦布告!!

最近、休日はかなり充実した練習時間をとっている。なかなか平日は楽器を弾けないので、週末にまとめて時間を確保し、技術維持と亢進に勤めているのだ。かなり気合がはいった状態なわけであるが、これには理由がある。せばすちゃん機動部隊は現在デフコン3が発令され、即応警戒待機となっているのである。ことの次第は一月末へとさかのぼる。



私の本業は日進月歩の世界で、わずか数年前の知識が時代遅れになるような速度で進歩を続けている。逆に言うとまだまだ未熟な領域なわけであるが、日頃の知識のアップデートというのは必要不可欠だ。そこで学会や研究会に参加し、最新の研究や情報を仕入れるということは、職務上重要な要素になってくるわけだ。そんななか、きたる3月末に業界最大の学会が九州は福岡で開催されるのだが、それへの参加が確定したのである。

九州は福岡。聡い読者の方はもうお気づきであろうが、彼の地にはあの男がいる。卓越した技術・感性・ネタを持ち、私の「いつか倒すリスト」に初期から上位を占め、はっきり言ってしまうと憧憬の対象ですらあり、私に「あんな風に弾きたい」と思わせる数少ない男padawan氏である。

彼は昨年から福岡へ赴任され、アイリッシュ環境があまり充実していなかった彼の地で精力的に布教活動を行い、現在ではアイリッシュ・パブ「the celts」を中心にかなりの勢力を築き上げているようだ。せっかく公費で博多へ行く機会だ。これを利用しないわけにはいかないだろう…漢として! え、知識のアップデートに楽器を持っていくことが必要なのかって? 必要に決まってるだろ…メンタル的にな。そもそも高効率を尊ぶ私には、この機会を利用しないことは害悪ですらある。遊ぶのは夜だしね。公私共に充実した100%完璧、エブリシン・オッケーな作戦立案である。


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昨年、まったく来訪を告げず、嵐の間隙をついて奇襲作戦を敢行し、死ぬほど彼を驚かせることに成功したことは記憶に新しい。(参照) 現在でもトラウマになっているほどのインパクトだったようで、奇襲としてはもっとも成功した作戦であるが、同じことを繰り返すと面白くないのはアイリッシュと同じ。今回は堂々と宣戦布告をした上で正面突破を謀ることにする。正面から立ち向かって勝てる相手ではないが、相手方の迎撃対応能力を知ることが出来るのがメリットだ。そこで一月末に、「侵攻予定」なる実質上の宣戦布告メールを送付した。反応は素早く、熾烈なものであった。 


3/29 1800時より迎撃すべく九州勢を召集します。
なお今作戦の陣頭指揮はTommy氏がとります。


う〜む…どう考えても、藪をつついたら大蛇が出たとしか思えない。Tommy氏は前回記事でも紹介した凄腕フルート吹きだし、現在padawan氏は福岡はおろか熊本あたりまで影響力を持っているご様子。猛者どもがワサワサやってくることも考えられなくはない。やっぱり奇襲作戦の方が良かったかな…おろおろ。



以上のような経過で、せばすちゃん機動部隊は臨戦態勢にはいり、洋上にて猛訓練を実施中なのである。勝てないにしても、やはり一矢は報いないとね。しかし、やはりこういうイベントがあると燃えますな。愚かとは知りつつ、戦いのない海には生きられない。それが漢というものなのだろう。…知らんけど。 

しっかし、なかなか上手くならんのぅ…きこきこきこ。
posted by せばすちゃん at 12:53| Comment(27) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月15日

魅惑の低弦

昨日は世の中はバレンタイン一色であったが、アレな方々にはあまり関係がないようである。その類に私も分類されるのは甚だ不本意ではあるが、その日、私は師匠主催の高レベル練習会・「フィドルの会」へと向かっていた。まぁ、世の中の男女はこの日はデートがあったりで、あまり参加率も高くないかな…などと思いつつ、ドアを開ける。

いるわいるわ、その数なんと17人。

デ…デカルチャ…。 あのさ、安易に世の中の流れに流される人間も嫌いだが、もうちょっとさ…なんかこう、もう…ね? ある意味、あなた方の先行きが心配デス。お前はどうなのかって? そんな無粋な突っ込みには、月牙叉手を喰らわせてくれるわ!



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さて、今回のフィドルの会には、初めてお会いする方が何人もおられたのだが、参加楽器もちょっと異色。なんとピアノチェロの方がおられたのだ。 おおおおお、ついにチェロが!! 実はこんなブログを書いておいて、こんなことを言うのも何だが、実は私は音色的にはバイオリンよりもチェロの方が好きである。そりゃもう圧倒的に。ただ、新しく楽器を始めるにあたって、「持ち運びが出来ること」という条件をつけていたので、チェロは外れてしまったのである。いや〜、そんなチェロと一緒にアイリッシュを弾けるとは…ドキドキ感炸裂である。チェロがハマりやすそうな曲ということで、オキャロランの曲などを中心に展開していったのだが、出だしはチェロでソロを弾いてもらおうということで、チェロのソロで「O'carolan's Draught」がスタート! …し、シブい!! めちゃくちゃカッコいい!! プレイヤーもかなりの手練のようで、ビブラートをかけながら魅惑の低音でメロディを綴る。うっわ〜、やっぱりチェロいいなぁ。オキャ会メンバーも多数参加していたのだが、やはり受けた衝撃は大きいようで、「私もチェロ買おうかな」発言が続出。いや…それは…そんなだから、「アレな人集団」扱いされるのでは…。 え、お前はどうなのかって? そんなやんちゃな突込みには鳳眼拳…(以下略)

ピアノの伴奏も実に新鮮。ギターの伴奏とは違うドライブ感があって、実に面白い。う〜む、やっぱりセッションは色々な楽器が組み合わさってる方が面白みがあるなぁ。いつもと同じ曲を弾いても、編成楽器が違うとまた印象が変わるので面白いね。



今回はオキャロランとリールからの選曲が多かったのだが、リールがあまり弾けない私には、ちょっと辛い。そもそも私は現在、ポルカ大魔王モードである。何気なく曲の切れ目にポルカを挿入していく。ふふふ…これだけさり気なくいれておけば、皆には気づかれまい。(注:バレバレ) 最終的には結構な数のポルカを弾けたし、最近お気に入りのジグ「Calliope House」も弾けたし、大満足の3時間であった。

いやしかし、チェロいいなぁ…まさに低音の魅力。なんだか大人の漢の感じがするよね。ふ〜ん、チェロは安物だと2万円くらいからあるのね。…ふ〜ん
posted by せばすちゃん at 23:15| Comment(18) | TrackBack(0) | ライブ・セッション・練習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月04日

目指せ、大魔王

セッションに参加している人なら皆実感していることだと思うが、セッションや練習会というのは単純に楽しいし、刺激を受けれる反面、確実に技術は落ちていくと思う。自分の演奏が目立たないので演奏が雑になりがちだし、テンポやリズムを含め、自分なりの演奏表現がしにくいというのが理由だと思う。そこでやはり、自己練習というのはとてつもなく重要なのである。プロの演奏家でさえ、「ツアーに出ると腕が落ちる」というから、素人なら言わずもがなだね。

先週末は完全にフリーだったので、じっくり自宅練習に時間を費やしてみた。今までに弾いた曲で最近弾いていなかった曲などを引っ張り出してきて、重点的に練習してみる。いわばレパートリーのブラッシュ・アップだ。それらを記憶の底からたぐりよせ、一曲ずつ丁寧にゆっくり弾いてみる。かつては弾きにくかったところが弾けるようになってたりして進歩を感じる部分もあれば、逆に弾けなくなっていてヘコむ場面も。レパートリーも徐々に増えてきており、今では暗譜している曲で81曲になっている。しかし、弾いていて、ふとある事実に気がつく。 …最近ポルカ弾いてない。


私はどんなジャンルにおいても、専門性をもつということは重要だと考えている。一本ベースとなる芯が通っている方が、何をするにも有利に働くと考えているからだ。たとえば小説でも、職業小説家が書いたものより、素人同然の人間が自分の専門性を生かして書いた小説の方が面白いという例は枚挙に暇がない。自分においても、仕事でも研究でも専門はあるし、最近久しぶりにハマっているプラモデル作りでは、米海軍&ヨーロッパのジェット戦闘機が中心である。それでは、私のアイリッシュにおける専門分野というのは何なのだろう? (専門というほど弾けるのかはともかく)

改めて自問してみると、やはりポルカだろう。私がかつて魂を奪われた「John Ryan's Polka」もそうだが、まったくアイリッシュを知らない人間を、たった数小節で踊り狂わせる力をもつ、単純で美しく、そして力強いポルカ。私にグルーヴの出し方を教えてくれたポルカ。ステップを踏みながら弾くことが出来なくて、悔し涙にくれたポルカ。一部では「ポルカ王」とまで呼ばれ、思い出の数と愛情の深さから言っても、「専門は?」と聞かれれば、やはり私の場合はポルカとなるのだろう。

それなのに、ふと気がつけば、最近はまったくポルカを弾いていない。レッスンでもいつの頃からか弾かなくなっているし、自己練習でも頻度はかなり低くなっている。ジグ・リール・ホーンパイプの習得に夢中になるあまり、ポルカがつい疎かになっているのだ。 これはイカン!!


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というわけで、鋭意ポルカ大特訓中。さっそく4曲ほどポルカの新曲を追加し、現在の持ちネタは25曲。目標はポルカセットで1時間もたせられること。レパートリーを増やすだけではなく、グルーヴ感やアーティキュレーションも研究して「踊れるポルカ」はもちろん、「聴かせるポルカ」なども研究してみたい。やるからには「ポルカ王」などケチなことは言わん。 目指せ、ポルカ大魔王だ!! あ、ちなみに上は大魔王のイメージ画像ね。なに、夢見過ぎ? 黙れ。
posted by せばすちゃん at 15:28| Comment(18) | TrackBack(0) | 自宅練習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月31日

物量にも程がある

最近すっかり「アレ系」練習会として名を馳せているオキャ会こと「オキャロランを弾く会」。今までにも何度か生い立ちについて言及しているが、もともとは一般の練習会についていけない初心者達が集まって、ゆったりしたオキャロランの曲でも弾きながら練習しましょう…という趣旨の会だったのである。しかし、創立メンバー達の性格もあり、いつのまにか初心者どころか達人級の方が参加するようになったこともあり、ふと気がついてみれば8時間もの長丁場を高速リールやジグが飛び交う地獄練習会と化してしまったのである。そう、いつのまにか会の名前に反して、オキャロランなどほとんど弾かれない会になってしまっていたのである。

そんな流れの中、「やはりオキャロランも弾きたい」という声が出てくるのは、揺り戻しというか自然なことなのだろう。昨日、会長であるhiroさんから一通のメールと圧縮ファイルが届けられた。いわく、最近オキャ会の常連と化している若きエース級フィドラー・なっとうさんが海外サイトからオキャロランの音源と楽譜データをゲットし、それをPDFに変換してくれたとのこと。おおお、そりゃいいね! 一般によく使われているABCファイルは、いちいち楽譜を印刷するのが面倒なのだ。PDFなら簡単・高画質で印刷出来るし、これをプリント・アウトして、次回の練習会ででもやるとしますか!


かちかち…(ファイル解凍中)…あれ、PDFとMIDIデータにしてはサイズが大きいな…ん? んんん〜!?


ファイル容量:5MB 収録曲数:214曲



あのね、チミタチ…いつになったら限度というものを覚えるのだ!? 以前にオキャロランについて書いたことがあるが、オキャロランが作ったとされる曲は約200曲と言われている。(参照) 全曲網羅されてんじゃないのか、コレ!? これを全部オキャ会でやるつもりじゃないだろうな!?

…いや…ヤツラならやりかねん。こわいよ〜。
posted by せばすちゃん at 23:56| Comment(26) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月22日

フィドラーは何処まで逝くのか

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さて、先日はhiroさん主催の地元練習会・「オキャロランを弾く会」に参加してきた。今回は噂の8時間耐久練習会、通称「8耐」である。最近、会場に設置された電子掲示板にも上記の通りの記載。ほかのスタジオを見渡してみても、こんな豪快な予約の取り方をしている人はいない。まったく、大人気ない連中である。


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今回の参加者は10名。顔馴染みばかりなのだが、今回はマスター級が二人! 当ブログでも頻出の「しゃお」さんと、最近オキャ会には毎回参加の「なっとう」さんである。二人ともクラシック出身でバキバキ弾きまくる達人級だ。なんだか、プレイ・スタイルも似ている感じがするし、何よりも皆にも「兄弟!?」と言われるほど雰囲気も似通っている。上の写真をみると、なんとケースを譜面台にしてしまうところまで同じである。しかし上手い人が二人いると、やはり音が締まる。それに、例によって途中でトトロの曲や映画音楽などを即興で弾いたりして遊んだりするのだが、この二人がいると、アドリブでも超絶プレイが繰り出されるので、驚きを通り越してもはや感動的ですらある。うおお〜、すんげえええ! 即興でこのレベルで弾けたら、そりゃ楽しいよなぁ。いずれは、あれくらい弾けるようになりたいね。

それこそ時間は腐るほどあるので、皆でワイワイ弾く合間に、なっとうさんに個人レッスンなどもして頂く。「Glasgow Reel」を題材に運指や移弦などのポイントや練習の仕方にいたるまで、細やかに指導して頂いた。彼はなかなか教え上手だ。惜しむらくは、若くて綺麗な…(以下略)  せばジグも一緒に弾いていただき、大満足。なっとうさん、有難うございました!



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ちなみに、今回の練習会ではエキサイトしたあまり、バイオリンをぶっ壊される方まで出現。指板がぱっかりと外れてしまう大アクシデントだったのだが、この会に参加するような人間はそれくらいでは動じない。なんと、セロテープで応急処置をして8時間を弾き切ってしまわれた。 もう、海兵隊のサバイバル訓練も驚愕のタフネスぶりである。なんだか、オキャ会も回を経るたびにアレ度が増しているような気がする…。ちなみに、このバイオリンは修理のため、せば病院へ即日入院となった。妻がいない時を見計らって、また膠(にかわ)を煮立てなけりゃいかんなぁ…あれは微妙にウ○コ臭いから、家人がいる時にするのはお勧めできない。家庭持ちの日曜バイオリン製作家は注意されたし!



参加の皆様、お疲れ様&有難うございました! 特に個人的にご指導いただいた「なっとう」さん、有難うございました。 そして主催のhiroさん、いつもながら有難うございます&写真勝手に転載させて頂きました…スイマセン。 来月の8耐もよろしくお願いいたします!

って、来月も8時間やるんかい!! だんだん人間離れしてきたな、この会も…ぼそっ。
posted by せばすちゃん at 00:30| Comment(14) | TrackBack(0) | ライブ・セッション・練習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月18日

目指せ! ぶっ飛びリーラー

先週は「狼の巣」こと「フィドルの会」に参加したりとネタはあったのだが、記事をアップするタイミングを逸してしまったので、今回は第91回目のレッスンのお話。

いつも通りにエアから始まるが、今回はなかなかに好調。弾き終わると師匠がニヤリと笑って、「だいぶ練習されてますね」とのたまう。ふふふ、相変わらず流石よの…越後屋。最近はまた時間を見つけては基礎練と各曲のおさらいをしているからな。それを1曲聴いただけで見抜くとは、なかなか…。 と、ひとり胸の中で師匠を越後屋呼ばわりしつつほくそ笑む。端から見たら、とっても気持ち悪いに違いない。

ジグもだいぶメロディの流れや抑揚がよくなってきた。ホーンパイプも表現を考える余裕が出てきつつあるし、リールも基礎的なパターンは身についてきて、ビート感が出てきている。ごくごくゆっくりではあるが、成長はしているようだ。そこで、もうちょっとリールをやってみましょうかと、久しぶりの新曲を頂く。渡された譜面は「Humours of Tulla」。 おおおう、キタコレ! これもアイリッシュではメジャーな曲で、非常にシンプルなメロディでリズム感溢れる曲だ。「神様」と称された(注:現役デス)マーティン・ヘイズが超ぶっ飛んだ演奏をしているテイクが非常に印象的だ。また我が永遠のライバル(と一方的に思っているだけだが)Padawan氏が、やはりこの曲をメチャクチャカッコよく弾くので、私もいずれは弾いてみたいと思っていたのである。

ちなみに、こんな曲ね。
http://jp.youtube.com/watch?v=y_VKclka7B8 (You Tubeより)

上の動画は結構な大編成で弾いているが、この曲は達人が弾くとフィドル一本でも猛烈にカッコいい。リズム感はもちろんだが重音を使ったり、微妙な音程を使ってコード感みたいなものを表現してしまうようで、「何故フィドル一本でこんなカッコいいんだ、コノヤロウ!?」と叫びたくなること必至である。ちなみに師匠も、「次はビデオ持って来て下さいね」とのこと。模範演奏をしてくれるそうだが、師匠が自分からビデオを持って来いなどと言うのは、レッスン開始以来初めてのことだ。きっとぶっ飛んだ模範演奏をしてもらえるに違いない。



思わず、ハイビジョン・カメラに買い換えて行こうかと思ったのは内緒だ。
師匠のファンに高値で売れば元とれそうだしな〜…とか思ってみたり。
posted by せばすちゃん at 12:42| Comment(11) | TrackBack(0) | レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月11日

今夜はTVにかぶりつき!

突然ではあるが、ちょっと宣伝デス。本日から始まるTBS系のドラマ「エジソンの母」。 この番組の音楽に我が師匠、大森ヒデノリ氏が参加! 今回はプレイヤーとしての参加だそうで、アイリッシュ系の音楽の録音を関西で行ったのだが、その際の在阪ミュージシャンのコーディネートもされたとのこと。音楽収録には金子鉄心さんをはじめ、強力なプレイヤーが参加。

師匠にその模様を聞いたところ、なんと大晦日一日で10曲をスタジオ録音したらしい。そして不足分は師匠の自宅で録音し、インターネットでデジタル・データ入稿したとのこと。…それで今日もうオン・エアとは、ドラマの収録スケジュールって恐ろしくタイトなんだなぁ…。それにしても、師匠宅には自作の録音ブースがあり、マイクとプリアンプにはちょっといいものを奢っているという話ではあるが、放送用レベルの素材製作でそんなことが出来る時代とはね〜。まぁ、スタジオの録音だって今日びPCベースになってるんだから出来るはずなんだが、改めて聞くとなんだかビックリですな。


というわけで、噂の師匠の演奏がどんなものか聴いてみたい方は、是非見てみてくださいませ。放送は今夜22:00スタート! ま、もっとも今日その音楽が流れるかどうかは知りませんので、その点は悪しからず。

 
posted by せばすちゃん at 16:29| Comment(17) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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