2007年11月03日

オリジナル製作プロジェクト

昨年末にフィドルにおける今年の目標というものを幾つか設定した(参照)のだが、いまだに手をつけずに放置されていた項目がある。それは「オリジナル曲を作る」というものである。実は今までも練習時に遊びでテキトーなフレーズを作って遊ぶことはあったのだが、ちゃんと取り組んではいなかった。なにより、トラッドが1曲もまともに弾けないのに、そんなことをしてる余裕はなかったのだ。しかし、ある日転機は訪れたのである。

それは先日のせば組・第2回練習会の時であった。参加者のゆうまさんが、「アイリッシュじゃないんですが、この曲を弾いてみたいんです」とある曲を持ち込まれた。それはZabadakの吉良和彦氏がミュージカルのために書いた「春のジグ」という曲であった。ゆうまさんがその場でピアノで弾いてくださったのだが、キャッチーで覚えやすいメロディだ。それでは次回は皆でコレも弾いてみましょうかとなったのだが、そこでつい口走ってしまったのである。 「それじゃ、私もオリジナル・ジグを持ってきますか」と。 いやまぁ100%冗談だったワケではないにせよ、聞き流してくれて全然オッケーなシチュエーションだ。しかし、こんな時に限ってみな恐ろしいほど喰いつきが良い。 「おおおお!?」ってな感じ? うわ〜、ばかばか。口は災いの元とはよく言ったものである。 …マズイな…しかし、いちど口にしてしまった以上は実行しなければなるまい。 「有言不実行」は漢の恥だ。 そこで、「オリジナル・ジグ製作プロジェクト」を立ち上げることにした。



実はジグもモチーフはかなり自分の中にはある。メモ帳がわりにシーケンサーに叩き込んである細切れフレーズも幾つかストックがある。しかし作曲とはパトスと衝動による産物なのだ。要するにその場の勢いで作ったほうがいいに違いない!…という確かならぬ理論に基づいて、新規に一曲作ってみた。

曲名はそのまんま、「St. Sebastian's Jig」だ。読みは「サン・セバスチャン」ね。今回の作曲の際のテーマは3つ。あまりアイリッシュっぽくないこと。単純な進行で、技術的に演奏が簡単なこと。弾いていて楽しいことだ。セッションの最後なんかに皆で弾いて盛り上がれればと思い、高揚感重視で作ってみた。さぁ、聴いておののけ、下民ども! 魂のオリジナル・ジグを!!


St. Sebastian's Jig

楽譜はコチラ!
http://fiddlersebastian.up.seesaa.net/image/sebajigscore.jpg

11/4追記:Yoshiさんが指番号をつけてPDF化して下さいました!
クリックで見れない場合はリンク上で右クリックして「対象をファイルに保存」してください。
http://www.geocities.jp/takaoka4410/Sebastian.pdf



なに、大上段な態度の割に大したことないって? …スンマセン、一言たりとも反論できません。 なに、シンセの音ばっかりでバイオリン弾いてないじゃないかって? …だって、作曲者がまだ上手く弾けな…ごにょごにょ。 なに、アレンジがショボい? …だってイメージ確認用に速攻で作ったオケのままだし…ごにょごにょ。 とにかく! 循環コードを使用した解りやすくシンプルな進行。E線を使わず弾けるメロディ。そして盛り上がる(と思う)Cパート。如何だろうか?


面白いと思われた方は是非弾いてみて下さいませ。 あ、呼称は「せばジグ」で!
posted by せばすちゃん at 23:55| Comment(33) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月07日

肩当をイジり倒せ!!

前回、邪悪なる陰謀によりレッスンを受けられなかった(参照)ため、今回こそはと意気込んで向かったレッスン第82回。 そこ、自業自得だとか言わないように! 100%私の凡ミスなのにも関わらず、「それは、すいませんでした」と謝り倒す師匠に器のデカさを見せつけられ、ちょっぴり漢として敗北感を覚えつつも、レッスン開始。いつものように、エアーからジグへと弾いていく。そこで4の指(小指)の音程の話題になる。

やってる方はご存知だと思うが、小指といえば初心者にとって最大級の鬼門。ちょっとやそっとでは陥とせないナバロンの要塞もビックリの難所である。もちろん私もこの小指の試練と遭遇することはあったのだが、さっさと高い弦へ移弦するなどして華麗にスルーしてきた。まさに流水に浮かぶ落ち葉の如し。しかし、ついに正面から向き合わなければならない日が来たようだな。コソ練していてどうしても綺麗な音程を出しにくい「Willie Coleman's Jig」などを弾きながら、4の指についての研究を行う。実際に弾いているのを傍で見ていた師匠が、もの凄く基本的かつ重大な疑念を投げつける。

師匠:「楽器の構え方が狂っているせいもあるかもしれませんね」
せば:「ほわ〜っつ!?」


kamae.gif


師匠の言うことを簡略化し図式化すると、こうなる。「もうちょっとイラストどうにかならんのか?」という非建設的&国家反逆罪的な発言は却下とする。要するに私の場合は楽器が外側に開きすぎており、かつ肩から楽器が離れすぎているのである。この状態だと、腕と楽器の中心線がずれており、安定した移弦も難しいし、音程の再現性も低い。おまけに先弓を充分に使えない。確かに今は肩当とは名ばかりで、胸骨で楽器を支えるような状態になっている。先弓がキビシイのも、このせいだったのか! 最初は正しかったであろう姿勢も、徐々に崩れてきていたというわけだ。というわけで、今回のレッスンでは、この改善に取り組むことになった。方法として、正しい構えを安定してとりやすいように、肩当のセッティングを調整してみることにした。



bonmus1.jpg

ところで私が使っている肩当だが、ドイツはBON MUSICA社の製品だ。日本でのシェアは圧倒的に低く、人に見せると大抵「何それ!?」と言われるが、これでないとあわないという愛用者もおられるようだ。師匠や、フィドル仲間のモハー氏も愛用されている逸品である。この肩当の特徴は、そのセッティングの自由度の高さにつきる。


bonmus2.jpg

柔らかい金属製プレートを2枚つないだ台座に足が2本ついている構造だ。足は高さのほか、左右で独立して角度を調整できる。そしてこの台座が最大の売りで、2枚のプレートをボルト2本で固定するのだが、このネジ穴が複数きってあるので、使用するネジ穴の選択により、体にフィットしやすい状態にセッティングできる。まっすぐな板だけではなく、写真のように「く」の字のような形状にも出来る。


bonmus3.jpg

極めつけはコレ。それでもフィットしない場合は台座の金属板を自由に曲げたり捻ったりして、セッティングすることも可能だ。金属とはいえ柔らかいものなので、手で簡単に曲げられる。これ以上の自由度をもつ肩当は現在存在しないだろう。ちょっと重いのが難点だが、音も悪くないと思う。

しかし、自由度が高いということは反面、セッティングを出すのが大変ということでもある。世の中は全て二律背反で成り立っているので、すべてにおいて一方的に優れているというモノはあり得ないのだ。簡単に詐欺にひっかかるような輩は、こういう概念が理解できないようだ…不思議不思議。



そして師弟コンビによるセッティングが開始された。少し設定をイジっては楽器を弾き、師匠にポジションをチェックして頂く。そして、その情報をフィードバックして、さらに形状の変更を行う。何度もこれを繰り返し、師匠の肩当を参考にしながら調整を詰めていく。

師匠:こんな感じでどうですか?
せば:う〜ん、私的にはさっきのセッティングの方が好みかも…。
師匠:でも、今の姿勢のほうがカッコイイですよ。
せば:カッコイイですか!? じゃ、コレでいってみます!

ちなみに今までに何度か言及しているが、人気の無い薄暗いビル。夜の教室で二人きりである。一部だけ聞いたら怪しさ爆発だ。まだ煮詰めたいところもあるが、座って弾いても足が邪魔にならずに先弓まで弾ききれるし、楽器の鳴りがよく聴こえるようになった。そして楽器のポジションも修正されているので、演奏性もあがっていると信じたいところだ。「カッコで決めていいのか!?」という浅はか極まりない意見が聞こえてきそうだが、いいに決まっている。達人の演奏はほぼ例外なく、演奏を聴くまでもなく、立ち姿だけでも美しいものだ。若き日のメニューインなんざ、変な構えのくせにめちゃカッコよろしい。効率的・機能的なモノには美が宿るものなのだ。運動性を極限まで追及した戦闘機や、切ることを追及した結果、刀身そのものが美となった日本刀のように…。


さて、とりあえず新しいセッティングは完成し、構えの修正にも目途がついた。切れ味鋭い、美しい演奏が出来るようになればいいのだが、はてさてどうなりますことやら…。
posted by せばすちゃん at 23:39| Comment(20) | TrackBack(0) | レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

スウェーディッシュで逝く

frifot.jpg

本日は、とあるコンサートを見に行ってきた。「Frifot」(読みはフリーフォートね)というスウェーデンのグループだ。師匠のアルバムやライブ放送を見てから、自分の中でスウェーディッシュに対する関心が高まってきているし、そして何より、このグループにはアレ・メッレルという人物がいるのである。実は以前に音源をアップした(参照)こともある名曲「Sommarvals(夏のワルツ)」は、この人物による作曲なのだ。最初に聴いたときはトラッドだと思っていたのだが、実は現代作品なのである。この名曲を書いた人物のオリジナル演奏が生で聴ける! しかも自宅すぐ傍の会場で!! このチャンスを逃すことは出来まい…漢として!


いざ会場入りしてみると、まぁいるわいるわ…知った顔がたくさん。セッションや練習会で見かける顔に、大森門下の兄弟弟子の方も来られている。まぁそりゃ、スウェーデンの伝統音楽なんてマイナーなジャンルだからなぁ…予想して然るべきと言えばそうなのだが、ちょっと吃驚。以前にセッションでお会いしたものの、長らく会っていなかった方ともお話できて、望外の喜びである。

そして、いよいよ演奏が始まる。 …イイ!! 正直、スウェーディッシュというのは今までアイリッシュ程には興味をそそられなかった。アイリッシュが単純で明るく楽しい音楽なのに対し、ちょっと暗く、いくぶん屈折した音楽という印象があったのだが、今日の演奏を聴くとその印象は間違いかと思わされる。ちょっとノリの難しい曲や、1/4音階が出てくるなど、あまり馴染みのない部分もあるが、実にカッコいい。やっぱり音楽ってのは、生で聴かないと判りにくいものなのかもしれない。

そして第一部のラストにお待ちかねの「Sommarvals」が演奏される。ふふふ、見せてもらおうか…本家の力と言うものをな! と大上段な態度で構えていたのだが、演奏が始まると2秒で態度が改まる。茫然自失という言葉に服を着せたモノ…それがその時の私であった。 す、すんげええええええええ!!! これはもう言葉に出来ない、圧倒的なまでに素晴らしい演奏。今回はなんと日本語訳された歌入りでやってくれたのだが、もう最初っから鳥肌が立ちっぱなしだ。本当の本気で感動した。そして、それは私だけではないようで、隣席の某女史は涙ぐんでおられた。すげえ…本当にエアで泣かすことが出来るとは…恐るべし、フリーフォート。

メンバー全員がマルチ・プレイヤーで歌も歌うし、またそのレベルがかなり高い。中でもアレ・メッレルの多彩さ、エンターテイナーぶりは素晴らしい。柳笛という指穴が無くブレスだけで音程をコントロールする楽器で自在な演奏を繰り広げるかと思えば、ハーモニカ2本を吹きながら、マンドーラも同時演奏してみたり。MCも面白いし、サイコーだ。あっという間にコンサートは終了。素晴らしい時間というものは、本当にあっという間に過ぎ去ってしまうね。


frifot2.jpg

興奮冷めやらぬままホールを出ると、メンバーがサイン会の用意をしている。おおお、ここはひとつミーハー根性を出して、サインを貰っておくか! てなワケで貰っちゃいました。いやまぁね、やっぱり偉大なる音楽家と生でお会いできたんだから、その記念ってことで…ね、あはは。…あ〜まったく、いつからこんなにミーハーになっちゃったんだか…。え〜い、こうなったら「毒を食らわば皿まで」だ!(違) アレ・メッレル様に会話を挑むという暴挙に出る、せばすちゃん。


せば腐:演奏素晴らしかったです!
アレ様:有難う!
せば腐:実は「Sommarvals」大好きで、私もちょくちょく弾かせて貰ってるんです。
アレ様:お、君は何か楽器をやるのかい?
せば腐:フィドルを少々、塩も少々…ごにょごにょ。
アレ様:おい、ペール! 彼はSommarvalsを弾くらしいぞ! (注:Frifotのフィドラーね)
ペール:おお、そいつぁ素晴らしい!
せば様:いや〜、ほんのちょびっとだけデス…あはは。
ともよ:彼と一緒に写真撮らせてもらっていいですか?


ちょ…ちょっと待てえええ!!! なんだ、最後の一文は!? ともよさん、横から何を無茶なお願いしてくれちゃってんですか!? ちなみに、ともよさんはオキャ会の常連さんで、カメラを向けると逃げるし、控えめな方なのであまり表に出てこないが、相当の実力者だ。おまけに素晴らしいキャラで、私は密かにファンだったりするお方である。会場でバッタリお会いして、サイン会の列に並びながら今日の興奮を語り合っていたのである。 …が、相手はあのアレ様ですよ!? サイン会もまだ人が並んでるし、そんなお願い…


アレ様:もちろん、オッケーさ!


…そんな簡単には…ともよさん、グッジョブ!! 写真を撮るために、わざわざ脱いでいたジャケットをいそいそと着なおすアレ・メッレル。いい人だ…。本当に凄い人って、いい人が多いような気がするなぁ。しかし、あれだけマルチに楽器が弾けて、歌えて、いい曲書けて、面白くて、おまけにいい人とは…ほとんど反則だよな〜。


ale.jpg

というわけで、記念すべきアレ・メッレル氏との一枚。こんな日に限ってデジカメを持っていなかったので、携帯での一枚。そのうえ光量不足なのでちょっとピンボケだが、仕方あるまい。ともよさん、有難うございました!!


このコンサートは本当に大当たりだった。ライブ後のエピソードも面白いが、なによりも音楽そのものが刺激的だった。今でも興奮は冷めず、サイレンサーをつけて激弾きしている。おそらく明日も続くだろう。まだフリーフォートの生音に接していない方…責任が私が取る、機会があったら黙って逝っとけ!
posted by せばすちゃん at 21:04| Comment(13) | TrackBack(0) | ライブ・セッション・練習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月24日

近況報告&作戦行動計画

最近はフィドル熱が再発し、練習時間も数倍となり、ブログの更新頻度も格段に上がっていたのだが、お気づきの通り、しばらく更新が停止するという事態に陥っていた。これは元来、寒くなると忙しくなる仕事のうえ、家庭の事情などが大きく起因している。

それでなくても冬場が忙しいのに加え、今の勤務地は医療過疎地。こういう地域で拠点となるべき公立病院が存在せず、また近隣の公立病院もまったくといっていいほど機能していない。そのしわ寄せが全て回ってきている状態だ。自治体は一体何をやってるのか…。

おまけに、実母が緊急入院するというハプニングがあったのだ。そりゃまぁ三十路半ば男の母なので、そろそろ色々と体にトラブルが出てきてもいい頃なのだが、まさかこう来るとは…。日頃とは逆の立場である患者サイドに立ってみて、はじめて気づかされる点も色々多いし、まぁこれもひとつの経験がだろう。とりあえず予断は許さないものの、命に別状はなく本人も元気だ。


さて、そうなってくると、私の中で燻っている小宇宙(コスモ)をどうしてくれようかという問題が発生してくる。グツグツと煮えたぎるフィドルへの欲求と、ほとばしる情熱と、熱きパトスを! 自主練が極端に減ったのはもちろん、ここ数回レッスンも休んでいるし、楽しみにしていたオキャ会・8時間耐久練習会も不参加に終わった。しかしアイリッシュダンスが、イングランド人の目から隠れるように発達したように、そしてカポエラが抑圧された奴隷たちの間で発展したように、文化や情熱というものは抑制された状態でこそ、大きく発展するものである。ここで、せばすちゃんは考える。 ここは誰かと一戦交えよう。 「何故そうなるんだ!?」という怒号が聞こえてきそうではあるが、善悪は別として、戦いが飛躍的な技術の進歩を生んできたことは、歴然とした事実である。相対的な自分のポジションを認識し、己に足りないモノを見極め、モチベーションを確保する。そして何より、戦いは男の本能なのだ。

誰かいい対戦相手はいないかぬぁ〜っと…と桂小枝ばりに検討してみる。 …いた、いましたよ。 来月には研究会のため横浜への出張があるのだが、その際に寄り道を敢行することに決定。そう、昨年も出撃したKevinさん主催の「ゆっくりセッション」である。このセッションは昨年参加したとき(参照)から「どこがゆっくりだ!?」と叫びたくなるレベルであったが、すっかり定例化し、強者メンバーも参集され、エライコトになっているらしい。正直ちょっと手に余るシロモノだが、玉砕覚悟で特攻をかける予定だ。今回は我が愛器・「虎徹」も持参する予定だし、弦をINFELD・赤に張り替えた「虎徹」の鳴りは絶好調だ。そして構えから修正し、一日1000本のボゥイングをこなした私自身も少しばかりはパワーアップしているだろう。暗譜した曲目も71曲を数えるようになっている。昨年ほど無様な惨敗はないものと信じたいところだ。


ふはははは、首を待っていろ、新橋に巣喰う下民ども!

…ってウソです、ゴメンナサイ。適当なトコで許して下さいませ。

posted by せばすちゃん at 22:29| Comment(12) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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